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【静岡】歴史のまちでアート散歩 静岡県掛川市

ジャンル・エリア : グルメ | テーマパーク | | 歴史 | 特産 | 芸術 | 静岡  2022年09月15日

掛川城

掛川城

 今回は静岡県掛川市です。名古屋の読者・藤木さんから「名古屋から鉄道で日帰りで行けるまちについて教えて、たとえば掛川など」とご要望いただいたためです。

 名古屋から東海道新幹線で約1時間。掛川駅に着いたら駅構内のビジターセンターで「掛川まる得パスポート」を買いましょう。日本初の本格木造天守閣として復元された「掛川城」など6施設の入場券と市内の循環バスの1回券(100円分)がセットになって通常3320円のところ1900円。お買い得ですよ。

 あいにく掛川城の天守閣は改修の工事で、来年1月まで休館中。しかもこの写真は先月の撮影で、今では足場で覆われているとか。

 掛川城公園内にある「掛川市二の丸美術館」では、放浪の画家・山下清の作品展を開催中です(10月2日まで)。晩年のライフワークであった「東海道五十三次」が並び、掛川の絵もありました。

 その次には、歩いてすぐの「掛川市ステンドグラス美術館」に行きましょうか。主に19世紀の英国で制作され、実際に教会を飾ったステンドグラスの名品の数々を、間近でゆっくりと鑑賞できます。

 外の光をうまく取り入れた設計。木もれ日と風に揺れる枝の影が、ステンドグラスをさらに美しく見せています。

二の丸茶室のお茶

二の丸茶室のお茶

 ここは篤志の市民が個人で集めたコレクションを建物とともに市に寄贈し、誕生した施設とのこと。敬服します。

 先の「二の丸美術館」も、同市出身の実業家たちが寄贈した近代の日本画と、江戸・明治期の細密工芸品の2つの収集を柱としています。

 そういえば掛川は、全国に先駆けて「生涯学習」という考えを打ち出したまちです。今回訪れた2つの美術館は、歴史や学術、文化を重んじる人々が暮らす土地ならではの施設だといえるでしょうか。

 アート巡りをしていたら、ちょっと疲れました。お城の二の丸まで戻って、「二の丸茶室」を訪ねてみます。

 将棋の藤井聡太さんたちの対局場にもなった格式の高いお茶室ですが、こちらもまたパスポートで入館できます。煎茶か抹茶の無料サービスもあります。私は煎茶を選びました。目にも涼やかな地元の和菓子とともに、満喫しました。お庭も見事です。

 そろそろお昼です。今日はウナギにしましょうか。実は掛川には、ウナギの人気店がいくつもあるのですね。

 お昼ごはんの後は、ここもパスポートで入れる観光名所「掛川花鳥園」に行くことにしましょう。鳥に直接エサをあげられ、私のような鳥好きには魅惑の施設なのです。

 楽しみはまだまだ尽きない掛川のまち。読者の皆さまもぜひお出かけを。(三品信)

 ▼ガイド 掛川駅構内のビジターセンターは(電)0537(24)8711。「掛川まる得パスポート」は小学生(900円)もある。掛川城の公園管理事務所は(電)0537(22)1146。「掛川市二の丸美術館」は(電)0537(62)2061。「掛川市ステンドグラス美術館」は(電)0537(29)5680。「二の丸茶室」は(電)0537(23)1199。「掛川花鳥園」は(電)0537(62)6363。

(中日新聞夕刊 2022年9月15日掲載)