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【福井】「越前和紙の里美術館」開館、東山魁夷作品中心に所蔵 越前和紙の発信、広がる

ジャンル・エリア : 展示 | 工芸品 | 福井  2023年07月24日

ソファに腰掛けて、作品の世界にゆったりと浸ることができる

ソファに腰掛けて、作品の世界にゆったりと浸ることができる

 越前和紙の産地・越前市今立五箇地区に22日、越前和紙を用いて多くの作品を制作した日本画家東山魁夷(1908~99年)の作品などを展示する民間の美術館「越前和紙の里美術館」(新在家町)が開館した。美術館の誕生により、この地区にある越前和紙関連の施設は4カ所に。越前和紙の魅力を発信するエリアが強化された。 (清兼千鶴)

 美術館の建物は、旧福井銀行岡本支店を活用した。1923(大正12)年から越前和紙の産地を支えてきた同支店の100周年の節目に、市の支援を受けて美術館として再整備された。越前和紙を愛用した魁夷の作品を中心に350~360点ほどを所蔵。このうち50~60点に、コウゾのみを使用した伝統製法による「越前生漉(きずき)奉書紙」が用いられている。

 美術館は2階建て。1階に第1展示室、2階に第2、第3展示室を備える。第1展示室に、魁夷の版画作品20点ほどを展示し、ゆっくりと滞在して越前和紙を用いた作品の世界観に浸ってほしいと、ソファを配置した。

開館を祝いテープカットする関係者たち=いずれも越前市の越前和紙の里美術館で

開館を祝いテープカットする関係者たち=いずれも越前市の越前和紙の里美術館で

 第2展示室には、常設の作品を展示している。第3展示室では、越前和紙を使った現代作家の作品を紹介し、越前和紙を用いて絵画制作に取り組む芸術家たちを応援する場にしていくという。

 周辺には卯立(うだつ)の工芸館、紙の文化博物館、パピルス館という越前和紙に関する施設がある。館長の栗田隆之さん(62)は「美術館を含めた4館で、越前和紙の里全体を盛り上げていきたい」と期待を寄せた。開館に先立ち、関係者がテープカットして祝った。

 開館時間は午前9時半~午後5時、原則火曜日と年末年始は休館。入館料は大人800円、高校以下は無料。