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バンコク この模様 どこかで…

2023年07月23日

6月30日、タイ・バンコクのワット・アルンで、アイスの模型を手にするシリンヤさん

6月30日、タイ・バンコクのワット・アルンで、アイスの模型を手にするシリンヤさん

 三島由紀夫の小説にも描かれ、日本人にもなじみの深いタイ・バンコクの名刹(めいさつ)「ワット・アルン(暁の寺)」。その敷地内にある「アルン・カフェ」で販売するアイスが今、観光客らの間で人気を博している。

 ワット・アルンはアユタヤ時代に建てられ、ラーマ二世から三世の時代に五基の仏塔が造られた。仏塔には中国製の陶器の破片がモザイクタイルのように飾り付けられている。

 アイスは五月に販売が始まった。考案したシリンヤさん(34)は「仏塔を彩る花柄の陶器に着想を得た。アイスをきっかけに仏塔に興味を持つ人が増えてほしい」と話す。販売開始後、交流サイト(SNS)で「かわいい」と評判になり、瞬く間に大人気に。六月下旬には英字紙バンコク・ポストの一面にも写真が掲載された。

 味はミルクティーとバタフライピー(チョウマメ)の二種類。観光客に人気のミルクティーを食べてみたが、濃厚な味でおいしかった。シリンヤさんによると、仏塔にはアイスの模様と同じ花柄の陶器片があり、それを探す観光客もいるという。「探してみようかな」と思ったが、バンコクの暑い日差しに負けて断念した。 (藤川大樹、写真も)