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北京 伝統衣装の魅力 共感

2023年07月28日

北京で開かれた講座で「漢服」を披露する女性(左)=中国・北京市で

北京で開かれた講座で「漢服」を披露する女性(左)=中国・北京市で

 中国の伝統衣装「漢服」をテーマとした講座があったのでのぞいてみた。十数年前からはやりはじめ、今ではどこの観光地でもレンタルの漢服を着た若い男女を見かけるようになった。その人気の理由と漢服の定義を知りたかったからだ。

 講師によると、漢服は漢族の伝統的な服装を指し、時代によって異なるがデザインや装飾でどんな身分や立場なのかが分かるという。ただ、チャイナドレス(旗袍、チーパオ)は清朝を支配した満族の民族衣装を基にしたもので、漢服ではないとのこと。一方で現代風にアレンジした漢服も紹介され、和服を現代風にアレンジして伝統文化を身近に感じてもらおうという試みと相通ずるものを感じた。

 唐代の漢服を試着させてもらったが、和服のように帯ではなくベルトを使うためリラックスした着心地で、普段は着ない真っ赤な布地に戸惑いつつも観光地を練り歩く気持ちが理解できた。自分も夏の休日は甚平を着るようになり、日本の伝統文化の良さを再認識している。このことを講師に話すと「今度漢服との着比べをしましょう」と提案された。こういう日中競争は歓迎したい。 (新貝憲弘、写真も)