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ソウル アニタク氏の日本愛

2023年08月27日

 「韓国で今、一番流行している日本アニメは『最愛の子』ですよ」。そんなアニメあったっけ、とスマホで画像を見せてもらい納得。日本でも人気の「推しの子」のことだった。

 意味は通じるが訳語にやや違和感がある、と伝えると、友人の説明が熱を帯び始めた。「韓国の俗語で『最愛』は『推し』と同じ意味。さらに『子』(韓国語で『アイ』と発音)は、登場するアイドル星野アイの名前とかけてるんです。よくできてるでしょう」。な、なるほど。ちなみに「オタク」を意味する韓国語は日本語由来の「タク」。彼はいわゆる「アニタク(アニメオタク)」だ。

 熱弁を聞いて思い出したのは、やはり日韓で人気の「スラムダンク」。日本文化の規制時代に流行した名残で、登場人物には韓国名が当てられたが、それぞれの名前には意味がある。例えば主人公・桜木花道の「カン・ベクホ」は、姓も名も「強さ」や「荒々しさ」がイメージされる、といった具合だ。

 「日本アニメへの敬意と愛があるからね」と誇らしげなアニタク氏。私も彼に負けぬよう「韓国オタク」にならねばと意を強くした。 (上野実輝彦)