2023年10月26日
10月1日の国軍の日を控えた9月末、韓国軍による10年ぶりの軍事パレードが開かれた。戦車やミサイルがソウル中心地を堂々と行進し、沿道の人々は太極旗を振って歓迎。職場からも見える風景は、韓国と北朝鮮の戦争が終わっていないことを改めて思い起こさせた。
パレードはテレビのニュースチャンネルでも生中継された。窓の外の行進と見比べていたところ、目を疑う映像が流れ、いすから跳び上がった。海軍の次世代イージス艦「正祖大王艦」が、市内の大通りを航行しているではないか。
「街中に軍艦?」。いや、よく見ると別々の映像を組み合わせた拡張現実(AR)だった。同僚や韓国人スタッフと顔を見合わせ苦笑い。パレードを代表で中継し、民放に配信していた政府系放送局がAR映像も流したため、テレビに「珍映像」が現れたもようだ。
ネットでは「正祖大王艦は水陸両用だったのか」「海軍はコメディーも一流」「ミーム(面白い映像の拡散)になる」などちゃかすコメントが多数。大げさな演出を好む韓国だが、今回は意外と冷静な反応が多いように感じた。(上野実輝彦)