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中国・天津 公衆トイレで尿検査

2023年12月17日

公衆トイレの便器に装着された画面。安全性やプライバシー保護を強調し、尿検査を促す内容

公衆トイレの便器に装着された画面。安全性やプライバシー保護を強調し、尿検査を促す内容

 「最近、健康診断してますか?」。天津市内の高速道路からサービスエリアに入り、公衆トイレで用を足していると、便器上部に設置された画面にこう映し出された。尿を便器内にある小さな枠の中に注ぎ込めば、そのまま尿検査ができるという。

 習近平(しゅうきんぺい)国家主席が2015年に「トイレ革命」を唱えて久しい。市街地の公衆トイレはだいぶ衛生的になったが、スマート便器との邂逅(かいこう)は初めてだ。

 画面に映し出されたQRコードをスマートフォンでスキャンして専用のアプリをダウンロードし、約400円の検査料を支払った。

 待つこと約5分。白血球や尿たんぱくなど14項目の検査結果が届いた。結果は2項目で「要注意」。「規則正しい生活をして5日後にもう一度検査をしてください」との忠告を受けた。同様の公衆トイレは全国5千カ所にあるといい、職場や自宅の近くにあるトイレを探せる地図もアプリ内に搭載されている。

 前に用を足した人の成分も検出しているような気がして、いまひとつ信用できないが、勢いに任せた中国らしいイノベーションを久々に見た気がして懐かしくなった。 (白山泉、写真も)