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北京 私もスキーに連れてって

2024年02月20日

 

 今年の春節(旧正月)休みは氷祭りで有名な黒竜江省のハルビンなど寒冷地への旅行やスキーが人気と聞き、北京郊外のスキー場を訪ねた。早朝から多くの人でにぎわい、日本でスキーがブームになったバブル期をほうふつとさせる。来場者は「95後(1995年以降の生まれ)」と呼ばれる30歳未満の若者ばかりで、小中学生らしき子どもも目立つ。バブル期にスキーを覚えた筆者のような50歳すぎのオジサンは指導員や係員以外、ほとんど見当たらなかった。

 北京で冬の娯楽といえば池に張った氷の上でスケートやソリで遊ぶのが定番で、10年ほど前まではスキーを楽しむ中国人は少数派だった。2022年の北京冬季オリンピックを機に人気に火がつき、スポーツ店もスキーやスノーボード関連の商品が急増。日本のスキー場が中国人客でにぎわっているというのもうなずける。

 今冬のもうひとつの特徴は、北部の人は暖かい南で、南部の人は北へ旅行する「南北交換」。そういえばスキー場で「ブレーキをかけるのはこういう体勢ですか」と声をかけてきたのは南の広東省から来たという同世代の男性だった。 (新貝憲弘、写真も)