2023年04月13日
北京市内の公園でジョギングをしようと荷物を預けるロッカーを探した。見つかったのはスマホでQRコードを読み取ると空いているロッカーのドアが開き、電子マネーで決済できる最新型。日常生活がほぼ電子マネーのみのため硬貨を使うコインロッカーは見当たらない。この変化の早さが中国らしい。
公園内にはシャワールームもあり、やはりスマホでQRコードを読み取って利用する仕組み。さらにここのロッカーは指紋認証式で、最新技術をどんどん取り入れる姿勢も中国らしい。ところがシャワーを浴びた後、ロッカーを開けようと何度指紋を指定の場所に当てても「認証失敗です」との音声が出るばかり。途方に暮れていたら女性更衣室から「私も前に同じトラブルにあったの」と話しかけられ、彼女がスマホで連絡して係員を呼び出してくれた。
約30分後、ようやく係員がやって来て、くわえたばこで「この機械、認証がうまくいかないんだよねえ」と言いながら鍵で開けてくれた。トラブルがあっても注意書き一つなく、謝罪すらない当事者意識ゼロの態度も中国らしくて怒る気がうせてしまった。 (新貝憲弘)