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韓国・大邱 薬膳も年齢には勝てず?

2023年06月18日

 疲れ切った頭に一筋の光が差した。そうだ、ここは薬の街では-。韓国南東部の大邱(テグ)には、朝鮮時代から受け継がれる薬材専門市場「薬令市」がある。午前6時半にソウルをたつ日帰り出張で、復路の経由地大邱に着いたのが午後7時過ぎ。予約の列車を待つ間、少しでも癒やされようと市場へ向かった。

 「韓薬局」「韓医院」など約150店舗が軒を連ねる通りは壮観だ。ただ、この時間帯はほとんどが営業時間外だった。がっかりしていると、ふと目に入ったのは韓国の代表的薬膳「参鶏湯(サムゲタン)」の看板。わが意を得たりとばかりに飛び込んだ。

 グツグツ煮立った参鶏湯は美味な上、ナツメやにんにく、松の実など滋養に富む食材も多く含まれる。材料の一部は市場で仕入れているとのことで「栄養がつきそうでしょう」との店員の言葉に大きくうなずいた。計18時間の強行出張もこれで乗り切れそうだ、と思ったが…。

 40代半ばの体力を過信してはいけない。翌日から体調を崩し、一日半寝込んでしまった。週末だったのは幸いだが、薬膳も加齢には勝てない? いや、薬膳のおかげで軽症で済んだと信じたい。 (上野実輝彦)