2023年11月20日

　「インタビューに答えていただけますか」。休暇旅行で訪れたウズベキスタンの首都タシケント。同国の歴史的英雄、チムールの像がある広場で女子大学生２人に声をかけられた。ジャーナリズムを専攻しており、授業の一環という。

　同業の先輩として快く応じたが「日本らしい食べ物は？」「おすしです」「その作り方は？」「えーと丸めたご飯に切った魚をのせて…」と慣れない英語にしどろもどろ。やっと終えたと思ったら別の学生グループからもインタビューを受ける羽目になった。見るからに東アジア系の顔だったから目立ったのだろうが、彼らの熱心さとフレンドリーさにほだされてしまった。道に迷った時は通りかかった地元の人が翻訳ソフトや身ぶり手ぶりでアドバイスしてくれた。市場を撮影しようとすると、気付いた若者がポーズを取るなどちゃめっ気も見られた。

　中央アジアの歴史と文化にひかれて訪れたが、何よりも人当たりの良さと親切さが一番印象に残った。ネットを使えばあらゆる情報が得られる時代だが、現地に行かなくては得られない体験こそ旅の醍醐味（だいごみ）だと再認識した。　（新貝憲弘、写真も）