2023年12月07日
街中で人魚体験ができるサービスが流行していると聞いた。北京の商業エリアにある店に行ってみると、巨大な水槽でシュノーケルを着けた若者たちが潜水を繰り返していた。
「1日目は座学と潜水の練習をします。深く潜るのは意外と難しいんです。2日目に人魚のひれを着けてプロのカメラマンが写真を撮ります」。女性インストラクターが教えてくれた。人魚になった自分を交流サイト(SNS)に投稿するのだそうだ。派手な長いひれを着けて、深さ約15メートルの水槽で撮影した写真は奇麗で迫力がある。
練習と撮影の2日間で約7万5千円から。自分好きな若者はこうしたサービスに出費を惜しまず、夏場は予約を取るのが難しいという。
開業したのは1年前。北京の友人は「北京では新しい消費サービスが急速に生まれている」と話す。新型コロナウイルス禍に外国との接触を絶ってガラパゴス化した中国だが、同時に「中国式コト消費」も独自に進化する。友人は「中国の若者に受ける付加価値の高いサービスは、そのうち外国人には思い付かなくなるのではないか」とも話した。 (白山泉、写真も)