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台北 過剰表現 民の審判は

2009年03月16日

 「品性が良くない」「手段が劣悪だ」「際限のない欲張り」

 台湾の陳水扁前総統夫妻を公金横領罪などで起訴した最高検が2人の行状を言い表した言葉だ。起訴状というれっきとした公文書。およそ司法の世界にはそぐわない感情的な表現に目を丸くした。

 案の定、メディアがかみついた。台湾紙自由時報は「とても法曹人が書いた文書とは思えないし、司法機関としての客観的な立場に背いている」「社会に対し極端な見方を植え付ける恐れがある」との元裁判官のコメントを紹介し、「起訴状の表現はあまりにオーバーだ」と批判した。

 自由時報は野党民進党寄りとされ、与党国民党寄りの他紙に比べて前総統のスキャンダルに関する記事量は圧倒的に少ないが、今回の論評は一概に偏っているとは思えない。

 事件を追及する側が感情的になれば、もともと司法に不信感を抱く前総統支持者がより先鋭さを増す恐れがある。気掛かりな起訴状だ。 (栗田秀之)

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