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上海 就職戦線に春よ来い

2009年02月24日

 中国の農村では、春を迎えると、泥で作った「牛」をムチで打つ「打牛」という行事で、五穀豊穣(ほうじょう)を祈るという。立春を越し、上海では、ぽかぽか陽気の毎日。昨冬の大雪とは打って変わって、暦通りに春を迎えたようだ。

 その立春、今年は3日と4日の二種類のカレンダーがある。立春の基準となる時間が、中国では4日午前1時ごろだが、グリニッジ標準時では3日午後5時ごろのためという。世界規模では、立春の日にちが異なるのはおもしろい。

 2009年は旧暦では立春が二回含まれる珍しい年だ。吉凶には関係ないが、「春」が二度含まれていることで、恋愛関係の男女が別れたり、離婚が増えるといわれる。

 “春っぽい”年にもかかわらず、景気は寒いまま。失業した農民工は2000万人に上り、大卒者向けの職不足も目立つ。「職探しでは冬が続く」という嘆き節は、いつ聞こえなくなることやら。

 (小坂井文彦)