2009年10月07日
不動産会社から「あなたが住んでいる部屋を見せてほしい」という電話が何回もかかってくる。オーナーがマンションの部屋を売りに出し、買い手候補が物件を確認するためだという。
オーナーは三十代半ばの夫婦だ。ソウル郊外に住んでいる。ソウル中心部のこの部屋は投資目的で買ったと聞いた。富裕層がよくやる「財テク」だが、そろそろ売り時とにらんだらしい。
最初は五月の週末、昼に勤務を抜け出して不動産会社の人に部屋を見せた。二回目は高齢夫婦と娘夫婦の四人が来て「病院は近いか」などと質問攻めにされた。この後二回見学があったものの、まだ買い手はつかない。
七月末には、相次ぐ見学希望の電話に閉口して掃除の手間や勤務の都合を訴えてみた。だが「今度の方は財テク目的で、かなり興味をお持ちですから」と押し切られた。誰か早く買ってほしい。 (築山英司)