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ニューヨーク ミス見過ごすも自由

2012年03月29日

 ニューヨークの地下鉄は、駅名や案内板のローマ字のスペルがたまに間違っている。

 たとえば「BRODAWAY」。正しくは「BROADWAY(ブロードウェー)」だが、「BRO」の後の「AD」が「DA」になっている。「Queeens」というのもある。2個でいい「Queens(クイーンズ)」の「e」が1個余分に付いている。

 日本ならばすぐに対処するのだろうが、都市圏交通公社(MTA)は「いいえ直しません」。何でも「BRODAWAY」駅は75年前の開業時から間違えたままで、「骨董(こっとう)的なアートといえますから」とおおらかだ。

 最近は地上の表記ミスが話題になった。小学校前の路上にペンキで書かれた「SHCOOL」。「SCHOOL(スクール)」の「CH」が「HC」にひっくり返っていた。

 これには地元メディアが反応し、テレビは「正しいスペルを教えるはずの学校の目の前で…」と中継。ニューヨーク市が道路工事業者に訂正を申し入れ、業者が慌てて書き換える騒ぎになった。

 間違えの対応がさまざまなのもニューヨーク流の自由か。もっとも「ヘルナンデス」が「フェルナンデス」で予約されていて、空港で別人とみなされた支局スタッフは「勘弁してよ」とうんざりしていたが。 (青柳知敏)