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ソウル ブームが駆け抜ける

2012年04月25日

 ランニングがブームだとは聞いていたが、これほどとは思わなかった。

 3月中旬に行われたソウル国際マラソンには、2万人以上の市民ランナーが参加。コース近くの地下鉄駅を出ると、色鮮やかなウエアの市民ランナーが、途切れることなく通り過ぎていった。

 友人が複数参加していたのでゴールでカメラを構えていたのだが、あまりの人の多さで発見できなかった。

 見渡すと、各地のマラソン大会の参加募集広告が並んでいた。そもそもソウル国際マラソンと同じ日に、市内で別のハーフマラソン大会も開かれていた。運動と縁遠い生活をしていたので驚きの連続だった。

 走るのは無理として、少し散歩の距離を延ばそう。そう思って翌週末に、アパート近くの漢江沿い遊歩道に向かった。普段、仕事の合間に歩く都心の人工河川沿いも気持ち良いが、やはり広々とした空間はいい。早歩きで、ランナー気分を味わってみた。

 すると後ろから「アジョシ(おじさん)!」と鋭い声が。慌てて立ち止まると自転車が猛スピードで追い越していった。ぼうぜんとしていると、次々と自転車が迫ってきた。

 そうだった。ソウルは自転車もブームだった。「漢江デビュー」は、この街のはやりに慣れてからにしようと思う。 (篠ケ瀬祐司)