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イタリア・ルーゴ 本場流 お熱いうちに

2014年07月03日

 目に落ち着きがなかった。イタリア北東部ルーゴのカフェで取材した男性は、こちらの手元をチラチラとうかがっていた。ペンを走らせるノートではなく、その脇に置いたコーヒーが気になるようだった。

 ルーゴに限らず、イタリアでコーヒーと言えば「エスプレッソ」を指す。微細にひいた深いりコーヒーの粉を充填(じゅうてん)したフィルターに、蒸気圧をかけて瞬時に抽出した25cc程度の液体。それを「デミタスカップ」と呼ばれる小ぶりの専用食器に注ぎ、豊かなコクを味わう飲み物だ。

 取材後、男性の目線を不思議に思って、通訳の女性に意見を聞くと「飲むのが遅いからよ」と即答。「冷めたらおいしくないじゃない。カップを手にしたら、テーブルに置かず、2口ぐらいで飲み干して。鉄道用語でもエスプレッソは『急行』よ」との忠告も受けた。どうやら女性も気になっていたようだ。

 昔からコーヒーをちびちび飲むのが好みだった。妻は「まずそうに飲まないで」とうるさいが、エスプレッソ発祥の国なら、なおさらか。“お茶の作法”として心に留めておこう。 (小杉敏之)

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