2014年08月21日
米国のカリフォルニア州では多くの他州と同様に、先住民に特例としてカジノ経営が認められている。昔、人里離れた居留地に追いやられ、その周辺で暮らす先住民は今でも多い。
そのような場所は産業を興すのが困難で、小規模ながらカジノが生活を支えてきた。「インディアンカジノ」と呼ばれ、近年、各部族が競うように大型カジノをオープンしている。
10数年前、ポモ族のある部族が、サンフランシスコから車で2時間の山の中腹に大型カジノを造り、その後、ホテルの併設を計画して盛況だった。
しかし、昨年11月、サンフランシスコから半分の距離の所に、別の部族が同州最大級のカジノをオープン。ラスベガスの専門会社を招き、新聞やテレビの前宣伝は見事だった。おかげで先のカジノは客を奪われ、5月は利子の支払い不履行に。
そんな折、2つのカジノに挟まれた所の別の部族がカジノ建設に動きだしたことがニュースになった。「過当競争にもかかわらず」という書き出しで。
先住民を支えるはずのカジノだが、互いの競争に発展したのを残念に感じている人は多いことだろう。(岡田幹夫)