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ワシントン 演歌嫌いでええんか

2014年09月26日

 ワシントンの「マービン・ゲイ公園」を訪ねた。黒人が圧倒的に多い地区で、米国の首都が「チョコレートシティー」とも呼ばれるわけを実感する。ゲイはここで生まれ育った歌手だ。1960年代に「モータウンの貴公子」と呼ばれ、70年代初頭には反戦や社会問題を歌った伝説のアルバム「ホワッツ・ゴーイング・オン」を出した。

 この公園に44歳で亡くなったソウルシンガーの名前がつけられたのは、2006年4月のことだ。麻薬の注射針が散乱し「注射針公園」と俗に呼ばれていたが、地域の治安を回復するために市当局や地元住民が再生に取り組み、家族連れも楽しめる場所になった。キャリアを通じてドラッグと手を切れなかったと言われるゲイは、天国で苦笑いしているだろう。

 そんな話を地元出身で20代の黒人の友人にしたら「俺たちはそんな音楽は聴かないぜ。日本で言えば演歌だろ」とばっさり。彼は米海兵隊岩国基地にいた日本通。「おまえ、それでも黒人か。自分たちのソウル(魂)を忘れちゃいけないぜ」。こう説教した日本の中年は、自分が演歌を好まないことは棚に上げている。(竹内洋一)

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