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英ノリッジ 寛容?厳格?どっち

2014年12月03日

 産業革命から取り残され、代わりに中世の街並みが残った英国東部のノリッジ。900年の歴史を持つノリッジ大聖堂は、当時のままの尖塔(せんとう)や半円窓が美しい教会だ。礼拝堂の入り口の手前に小さな中庭があった。一面に砂利が敷かれ、大きな石が所々に置かれている。どこかで見覚えのある懐かしい情景。日本伝統の庭園、枯れ山水だった。

 何度も日本を訪れたことのある牧師の1人が、空きスペースの活用に提案した。日本庭園を学んだ英国人庭師がデザインし石はスコットランド産。実際、石造りの礼拝堂と枯れ山水の庭はよく調和していたけれど、伝統を重んじる英国国教会の意外な柔軟さを見た気がした。

 隣の建物で夕刻、平安期の仏像をテーマにした日本人研究者の講義があった。熱心に聴き入っていた地元住民からの質問は背景にある「神仏習合」に集中した。

 宗教対立が激しい抗争や弾圧を生んできた英国で、あいまいに神様が融合する日本の文化は面白く映ったようだ。しかし、いったい宗教に寛容なのか、厳格なのか。はてなだらけのノリッジの夜だった。(小嶋麻友美)

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