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パリ ピアフに学ぶ人生訓

2015年06月09日

 エディット・ピアフは、日本人にもなじみのあるフランス人歌手だろう。1963年に世を去ったが、今なお世界中で愛され歌い継がれる名曲の数々。誰もが認める国民的歌手だ。

 今年はピアフの生誕百周年。パリのフランソワ・ミッテラン国立図書館で、ピアフの人生を振り返る展示会があった。舞台で着た、黒のシンプルなドレスや自筆の手紙などが時代を彩った楽曲や映像とともに鑑賞できとても興味深かった。

 人生は実に劇的だ。パリの貧しい地区で生まれ、幼少期を父の実家の売春宿で送った。その後、パリの街頭で歌い始め、才能を見いだされ、スターへ上り詰めていく。一方、恋に落ちたボクサーは飛行機事故で不慮の死を遂げ、晩年は薬物依存に苦しんだ。

 好きな曲は数あるが、一つ挙げるなら「水に流して」。生きざまを象徴するような、晩年の60年の曲だ。<悲しみも喜びももういらない。何も悔いていない。ゼロから始める>

 展示の最後にはある曲の歌詞にも織り込まれた一節が掲げられていた。「何があってももう構わない」。人生を達観した言葉に思えた。 (渡辺泰之)

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