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ニューヨーク 訴訟は景気の映し鏡

2015年08月11日

 米国の飲食店で衛生管理責任者になるための試験があった。会場の外では、弁護士が待ち構え、出てきた飲食店従業員たちに近寄り「時間外の手当はちゃんともらっているか?」などと声を掛ける。「不満があるなら店を相手取って訴訟を起こそう。通常の料金はいらない。勝ったら、会社から受け取った金額の40%を払ってほしい」

 ニューヨーク・マンハッタンに複数の飲食店を持つ男性経営者は3~4年前、こんな訴訟に悩まされ続けたという。「リーマン・ショックの影響で景気が低迷していたころで、弁護士が持ち掛ける訴訟が横行していたんですね」とこの経営者。訴訟大国と言われ、弁護士も多い米国ならではのエピソードだ。

 米国では「仕事の種を探す弁護士は、事故の被害者が乗った救急車まで追いかけ回す」などとやゆされることもある。

 この経営者は「今は景気も回復し賃金も上がっているので、この手の訴訟はあまり聞かない」とほっとした表情で話す。訴訟も景気次第、ということだろうか。訴訟で店内の雰囲気がぎすぎすしていたら、味にも影響が出る。利用者にとっても好ましいことだ。 (東條仁史)

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