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ベルリン 期間限定の繊細な味

2016年09月26日

 大味というドイツ料理のイメージを少々覆す料理に最近、立て続けに出合った。

 湖を望むベルリンのレストランで、日本からの来客とともにいただいた「プフィッファーリンゲ」というキノコ。森林に自生する種で、夏や秋にのみ食卓に上る旬の素材だ。

 クリームで煮付けたキノコからほのかなアンズの香りが漂う。水がつくと風味が損なわれるため、水で洗わず、ひだ状のしわに沿って布で汚れを拭き取る調理人もいるという。

 旬の素材と言えば、春にホワイトアスパラガスも食べた。うっすらとした苦さが大地の滋味を感じさせる。ベルリン生まれの支局の女性スタッフが、50歳を超してようやくおいしさに気付いたというほど、微妙な味わいだ。日に当てると緑色がついてしまうため、わざわざ土の中で丁寧に育てられている。

 ドイツに来て約1年。多くの飲食店で山盛りのゆでジャガイモや塩味のきついソーセージを供され、失礼ながら「大ざっぱ」「無造作」などと文句を言ってきたが、どっこい、ここにも繊細な味を探求する舌と好奇心は健在だった。期間限定のようではあるが。 (垣見洋樹)

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