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北京 カーテンの奥を知る

2017年11月16日

 北京にある国会議事堂にあたる人民大会堂で、日中国交正常化45周年記念のレセプションがあり、夕食会に参加した。

 隣に座ったのが、中国の有力紙の女性記者。原発事故を気にして「福島の食べ物は食べて大丈夫なのか」「魚はどこ泳いでいるかわからないでしょ」と質問してきた。検査をしっかりしているなどと説明しつつ「そんなこといったら、中国で食べているサンマも日本の東側の海で捕っているのもあるんじゃない」と指摘すると、あっけらかんと「そうなんだ」。

 ちょうどそのころ、日中国交正常化を果たした周恩来(しゅうおんらい)元首相と田中角栄元首相の親族が登壇。周氏のめい周秉徳(しゅうへいとく)さんは「おじは田中首相のささいな生活習慣、早起きまで知り尽くしていた」。田中真紀子元外相は「赤いカーテンの向こうがどうなっているのか情報がなかったが、素晴らしい周総理におまえを会わせたかった」と父から言われたとのエピソードを披露。

 大切なのは、相手を知るということ。とはいっても、日本人も中国の姿をどれだけ知っているのか。どれだけ自分が中国の姿を伝えられているのか、自問自答した。 (安藤淳)