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ベルリン 曇りガラスの議事堂

2018年02月06日

 ドイツ連邦議会の議事堂があまりに穏やかで拍子抜けした。反イスラム・反難民を掲げる愛国主義的な右派政党「ドイツのための選択肢」が初めて議席を獲得した議会の初日の議場。

 慣例では、最長老の議員が最初の演説を行う。「選択肢」のウィルヘルム氏(77)が演台に立つはずだった。

 しかし、総選挙の3カ月前、主要政党がルールを変更し、演説者を議員在任が最長の議員に切り替えた。そうして「選択肢」の演説機会を封じ込めた。

 これまで「選択肢」の議員はユダヤ人虐殺の慰霊碑を「恥」と述べるなど、極右的、排外主義的な発言が目立つ。

 そんな政党のメンバーに、名誉ある第一演説者の立場を譲りたくない気持ちも分かる。しかし、仮に過激発言が飛び出したとしても、それが民主的な選挙の結果ではないか。

 議事堂は第二次世界大戦で破壊され、再建の際、屋根にガラスドームを設置。戦前のナチス体制を反省し、透明性を確保するとの願いが込められた。

 臭い物にふたをする今回の判断は、せっかくのガラスを曇らせてしまったように思える。 (垣見洋樹)

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