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バンコク 学生の提言胸に刻み

2018年04月03日

 昨年12月に当欄で紹介した明治大の学生たちから「リポートが完成した」とメールが届き、読ませてもらった。異文化ビジネスマネジメント論を学び、タイに進出した日系企業の駐在員に聞き取り調査を実施。タイ人従業員との間で起きたトラブルをいくつか紹介している。

 「日本と同様に、従業員のためを思ってしかりつけたら、その後、関係が悪くなってしまった」「出勤時刻に正確な従業員は全体の4割程度。重要な会議に遅刻しても謝らない」・・・。

 どれも、駐在員からよく聞かされる話だ。学生らの調査は短い期間だったが、タイの実情をしっかりとらえていた。最後に「従業員とは日常的にコミュニケーションを取り、一人一人と親身に向き合うこと」との提言で結んでいた。

 年が明け、バンコクは乾期の真っただ中にもかかわらず、早朝から豪雨に見舞われた。あちこちで冠水し、主要道路は激しい交通渋滞が発生した。

 当支局のタイ人助手が出勤してきたのはその日の昼すぎ。定時で出社した私に連絡がなかったばかりか、謝罪もなし。学生らの提言を思い出し、怒りをぐっとこらえた。 (山上隆之)