2009年04月28日
氷点下10度を下回る冬のソウル。さらに寒けを感じるような記事が先日、地元紙に載った。調理や暖房に使う練炭に、最近火が早く消えてしまう不良品が目立つという。
例えば、6時間もつはずが4時間-。原因について、新聞は「原価を下げるため土や木炭を混ぜている」との配達業者の声を紹介。一方、監督機関の韓国鉱害管理公団は「発覚したら製造者は重い罰を受ける。想像できない」と首をかしげる。
公団担当者は「生産増で不良品も増える。零細工場が多く、成分配合の機械が古びたのでは」と推測するが、2年前に6・1%だった発熱量の違反率は昨年、2倍以上の15・9%。増え方が急だ。
韓国では不況と原油高で近年、燃費の安い練炭の消費が伸びている。冬には貧困世帯へ練炭を運ぶ奉仕活動もテレビで目にする。
“庶民の燃料”に何が起きているのか。身近で深刻な問題のはずだが、なぜかホットな話題になっていない。 (福田要)