2013年02月15日
昨年12月にコネティカット州の小学校で銃乱射事件が起きてから、ちまたの銃論議がかまびすしい。
ある朝、高齢男性5人とともに丸テーブルを囲んだときのことだ。その中の1人は、全米ライフル協会(NRA)の刺しゅうが入った帽子をかぶっている。第二次大戦の退役軍人と、戦闘機の元パイロットも1人ずつ。
別の1人がテキサス州知事の言動に同調して教員が銃を携帯すればいいと言うと、退役軍人は「そんなばかな話はない」と席をけって立つ勢いだった。
それを聞きながら、いくつか思いを巡らせた。同席者の1人は以前、子供のころ家の裏で空き缶を撃って遊んだと言っていた。「缶がポーンと飛んでいくのが面白くて」と。この人はまだ銃を持っているのだろうか。
NRAの帽子の人は農家育ちで、子供のころの食卓にはウサギやシカの肉が載っていたというから、狩猟は生活の一部だったのだろう。この人もまだ銃を持っているのかな。
隣に住む95歳の女性が、庭のレモンが何者かに盗まれると話していたとき、「犯人を撃っちゃえ」と発言したことがあった。そのとき、故人の夫のものを護身用に保存していると感じた。
米国には人口に近い数の銃が行き渡っているという話も聞く。銃問題は根が深そうだ。 (岡田幹夫)