2013年09月13日
調理法に思わず目を覆い、一口食べて目を見開いた。韓国南部・釜山名物のコムチャンオ(ヌタウナギ)焼きを、ソウルで食べた。
「国産を2人分」と注文すると、長さ約30センチ、太さ直径1.5~2センチの皮をむかれたピンク色のコムチャンオが3匹運ばれてきた。細長い姿は似ていてもかば焼きにするウナギとは全く別物。あごがなく丸い口を持ち、目は存在が分からないほど退化している。
生きたまま、長いまま炭火にかけるから、網の上は大騒ぎだ。「釜山勤務時代にこれで接待したところ、日本人客は手を合わせていた」と同行の友人。冗談めかして話していたが、さもありなんと思わせる光景だ。
しばらく焼いたら3~5センチに切る。ごま油やコチュジャン(トウガラシみそ)などにつけ、野菜にまいて食べると、これがいける。
太い部分はホルモン焼きのよう。かむと肉汁ならぬコムチャンオ汁がわく。尾の近くはこりこりし、海の幸だと思い出させる。女性客も多く「気持ち悪いなどと言いながら、たくさん召し上がる」(店員)のだそうだ。
パワフルな印象を受けることが多い韓国の人たち。そうか、これを食べていたからか。仮説の検証と日本のウナギ不足を考慮し、この夏はウナギではなくコムチャンオで乗り切ることに決めた。 (篠ケ瀬祐司)