2015年10月30日
ラグビー・ワールドカップ取材の合間に、競技発祥の地を見ようと英中部ラグビーを訪れた。エリス少年がボールを持って駆けだしたという伝説の「ラグビー校」などを巡ると、ジョーンズと名乗る60代の男性に話し掛けられた。日本の平仮名や片仮名に興味があるという。
夜の試合をパブで見るまで時間があったので、レストランでビール片手に話し込んだ。ところが、早口の英語がよく聞き取れない。覚えているのは「訪問客がよく間違えるんだが、ラグビーの起源は女子校のラグビースクールではなく、今は共学になっているラグビーハイスクールだ」という説明ぐらい。
ジョーンズさんはパブにも付いてきた。まだ話し足りないらしく、さほど通じ合わない会話をさらに1時間。そろそろ帰りの電車が気になると言うと「まだ大丈夫」。引き留めるのを振り払って駅へ向かった。
案の定、乗った電車は遅れ、乗り継ぎはぎりぎりに。あと十分話し込んで1本遅らせていたら、夜の田舎町に取り残されていただろう。気さくなフレンドシップと日常的に遅れる電車。一晩でこの国を楽しめたようだ。 (垣見洋樹)