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ロンドン ラグビーが映す日本

2020年01月31日

 テレビを見ていると最近、日本の街をよく目にする。ラグビー・ワールドカップ(W杯)のためだ。中でも会場の岩手県釜石市は東日本大震災からの復興の経緯なども紹介されていた。

 英国はラグビーの発祥地でもあり、人気が高い。各メディアは連日熱戦を伝え、時折、日本の文化や試合会場の街の様子も取り上げる。英民放ITVは全試合を放送。だが、日本の紹介に関しては、何とも言えない気持ちになることもある。

 地下鉄駅などに掲示した試合放送の広告には、新宿のような繁華街の絵が全面に描かれ、各店舗の看板に「トライを決めろ」「真っ向勝負」などと日本語でつづられている。ただ、中には「頑張れば楽勝」といった、首をかしげたくなるものもある。

 さらにテレビ放送のスタジオには畳や障子を配し、日本の道場のように演出。だが、出演者らが靴を履いたまま畳に上がり、インターネット上などで「日本の慣習と違う」との批判も。

 他のメディアでも、突っ込みを入れたくなる時はある。ただ、日本が注目されるのはうれしい。その魅力や歴史が熱戦とともにもっと伝わればと願う。 (藤沢有哉)