2020年08月21日
子どものころから清潔を心掛けていた方だが、50歳を過ぎてこんなに手を洗うとは思わなかった。それでも米ホワイトハウスで新型コロナ対策チームを率いるファウチ国立アレルギー感染症研究所長(79)は「1日50回洗う」と聞くと、まだ危機感が足りないと反省する。
感染が拡大するとともに、アジア系は人種差別に基づく中傷と憎悪犯罪という恐怖に苦しんでいる。トランプ大統領は「『中国の無能さ』が世界中で大量殺りくを起こした」などと中国を繰り返し非難。ある友人の日系男性(48)は「ウイルスの発生源や感染拡大で中国が説明責任を果たしていないのは事実だが、中国を非難するほど中国系に対する憎悪に火を付け、ひいてはアジア系に対する攻撃を招いている」と、ため息をつく。
そんな中、アジア系の著名俳優らが「#WashTheHate」(憎しみを洗い流せ)という運動を会員制交流サイト(SNS)で展開。手を洗いつつ「憎悪でウイルスには勝てない」などと訴える動画で国民に結束を呼び掛けている。潔癖で知られるトランプ氏こそ危機感を持って、もっとゴシゴシと手を洗ってほしい。 (岩田仲弘)