2020年08月20日
5月の週末、ソウルの韓国大統領府の背後にそびえる北岳山(プガクサン)(342メートル)にハイキングに出掛けた。登山愛好家として知られる文在寅(ムンジェイン)大統領の取材を担当する韓国紙の同世代の記者らが案内してくれた。
都心を見下ろす眺望の美しさ以上に驚いたのは、おしゃれな若者の多さ。韓国では最近まで登山は中高年の趣味というイメージがあったが、新型コロナウイルスの拡大を機に一変した。
近郊の北漢山(プッカンサン)では4月の入山者が前年比8割増の45万人に上り、韓国メディアは、繁華街のクラブやヨガ教室の常連だった若者が感染リスクの低い山に大移動してきたと分析する。
20~30代の女性登山客の大半が、アウター用タイツのレギンスを着用し「レギンス族」と呼ばれる。数年前から日本で増えた「山ガール」もレギンス愛用者が多いが、大抵は短パンなどを上にはいて牧歌的な印象だ。レギンス族は都会的な“インスタ映え”にこだわり、スラリとした脚を強調するそうだ。
スマホで自撮りを楽しむ彼女たちの生の声を聞きたかったが、登山ズボン姿の中年記者が取材できる雰囲気ではなかった。 (相坂穣)