気象庁の発表によると、
東海地方の今年の梅雨入りは、
平年より早めの5月29日ごろでした(平年は6月6日ごろ)。
降るときはたくさん降る、
晴れるときは真夏のように暑い、
と、極端な天候が続いているように感じる日々。
晴れの日を狙って、
梅雨を彩る花の代表格であるアジサイを見に、
愛知県一宮市にある「御裳神社」へ行ってきました。
境内に掲出されている神社の御由緒によると、
創建は平安時代中後期の寛徳2(1045)年。
古くから、
周辺の城主や尾張藩主の支援を得て、
地場産業である織り物や染色業の守護神として尊崇を集めているとのこと。
境内の面積は7960平方メートル。
平成12(2000)年に御神苑を整備してアジサイ園ができたそうで、
6月中旬の土日の2日間に「あじさいまつり」を催しているそうです。
取材日はたまたまその「あじさいまつり」に当たり、
境内には提灯が飾られるなど、少し華やいだ雰囲気が漂っていました。
↑神社の北東側の歩道から見た境内のアジサイ。
かなり勢いがある感じです。
↑南側にある神社の入り口。
すぐ西側(向かって左)に駐車場があります。
↑アジサイ越しに見た社殿。
神社の方のお話によると、
境内のアジサイは約70種、8000株ほど。
社殿北側の「アジサイ園」にまとまって植えられていますが、
境内のぐるりにも、色とりどりのアジサイが咲いていました。
↑駐車場脇のアジサイたち。
↑境内のぐるりを彩る、濃淡さまざまな色合いのアジサイたち。
↑華やかな印象のガクアジサイ。
↑大きな半球状の花姿のアジサイたち。
↑境内北部にある「アジサイ園」への入り口。
↑アジサイ園の散策路。
社叢(しゃそう)が
ちょうどいい加減の日陰と日なたを
提供してくれていました。
↑アジサイ越しに見えた社殿の屋根。
この写真だけ見たら、
山間にある神社みたいですね。
↑陰陽の対比がきれいだったところ。
日に当たっている花が輝いているように見えます。
↑木漏れ日で、
スポットライトが当たっているように見える場所も。
↑大人の背丈を超えるような株もたくさん茂っていました。
花は見ごろで、
たくさん咲いているように見えたのですが、
神社の方のお話では、
今年は例年より少し花の付き方が少なめだそう。
例年はもっとすごいのかと思うと、
来年以降も確かめに来たくなっちゃいますね。
品種名などの掲出はありませんでしたので、
見た目でグループ分けしてみた写真を
以下に紹介したいと思います。
↑白~青色のガクアジサイ4種。
↑青~赤紫色のガクアジサイ4種。
↑赤紫~ピンク色のガクアジサイ4種。
↑青~ピンク色のパステル調のアジサイ4種。
↑青~ピンク色の濃い目の色のアジサイ4種。
↑花びらの形や色の入り方がユニークなアジサイ4種。
↑端がころんと丸まった花びらが特徴的なウズアジサイ4種。
右側の2点は、
花びらが丸まった花と普通の花びらの花が混在しています。
たまたまなのか、こういう品種なのかはわかりませんが、
こういった個体を見つけることができるのも、
観賞の楽しみの一つです。
↑カシワバアジサイ4種。
八重咲きや手まり状、上を向いて咲く花など、
いろいろな形態を見られて、こちらも興味深かったです。
↑境内で見かけた昆虫4種。
左上写真:シオカラトンボのオス、
右上写真:シオカラトンボのメス、
左下写真:サザナミアオシャク、
右下写真:ミツバチ(いずれも推定)。
↑左はアジサイの花を浮かべた手水舎、右は陵王の舞(舞楽)。
いずれも、
年に一度の「尾西あじさいまつり」でのみ見られる風景です。
アジサイの花手水は、
数年前にSNSで拡散されて話題になっていたので、
ご存じの人もいらっしゃるかもしれません。
たくさんの人が写真を撮っていらっしゃいました。
また、
舞楽は目を奪われる美しさでした。
色とりどりのアジサイたちに囲まれて、
手を伸ばせば簡単に触れられる距離で演じられる
いにしえの雅な音と舞い。
ギャラリーも結構いましたが、
誰も邪魔をする人はいません。
人々の良識で守られている伝統なのだなあと
しみじみと実感した一幕でした。
のどかな住宅街にあって、
いにしえの文化を伝えつつ、
美しいアジサイや豊かな社叢で
居心地の良い空間を提供してくれる古社。
いつまでも守っていきたい場所ですね。
感染症には十分気をつけて、
四季のある日本ならではの旬の花を楽しみましょう。
取材日:2023年6月25日
御裳神社
愛知県一宮市三条宮西1145
TEL:0586-62-5980(御裳神社)
※入場自由。
※毎年6月中旬ごろの土日(2日間)に境内にて「尾西あじさいまつり」を開催。
交通アクセス
○公共交通機関
名鉄「一宮駅」西口から名鉄バス(「西中野行」または「蓮池行」)に乗り、「尾西消防署前」で下車、北東へ徒歩約5分。
○車
東海北陸自動車道・一宮西ICから県道145号経由で北西へ約3キロ。
※無料駐車場あり(約20台分)。
- まころーど
- 名古屋生まれ、名古屋育ち。
季節の移り変わりを観察するのが大好きなアラフィフ世代。新聞記事制作や、出版社にてガイド本等の制作経験あり。
現在は、旅や町ネタに関する記事を執筆しています。観光や販促のお手伝いも。