2009年07月17日
先日、モスクワでの米ロ首脳会談で、両首脳のネクタイがちょっとした注目を集めた。オバマ米大統領、ロシアのメドベージェフ大統領とも初日が赤系、2日目が青系と、おそろいだったからだ。
真相は不明だが、ロシアのメディアからは「融和ムードの演出」との見方も出た。
一国の首脳にとってテレビ映りも重要なメディア戦略のひとつ。色の一致が単なる偶然とは思えないが、対立関係の「リセット」をうたった4月の米ロ首脳会談でもネクタイの色は違ったから、融和の演出というのも、いまさら感がある。
特に、初日の赤系は力強さをアピールするパワータイ。新核軍縮条約がテーマとなった会談で、主導権を印象づけるため双方とも締めたかった色なのだろう。
新条約をめぐる米ロのせめぎ合いは、年末の締結を目指し、これからが本番。おそろいのネクタイは両首脳の「一歩も引かない」決意の表れに思えてならない。 (酒井和人)