2010年11月08日
マニラからの帰任が近づき、米国人らが送別会をしてくれた。楽しかったが、終わるとぐったりと疲れた。彼らが「タグリッシュ」を話せないからだ。
フィリピンに住んでいれば英語が上達する-と思われがちだが、自分にとっては逆だ。上達するのは、タガログ語と英語(イングリッシュ)を融通無碍(むげ)に混ぜた「タグリッシュ」ばかり。おかげで純粋な英語はどんどん下手になっていく。
望ましいことではないだろう。この国の教育関係者も、タグリッシュ追放を目指し、英語は英語、タガログ語はタガログ語と分けて使用するように指導している。
だが、これほど楽なものはない。ある程度のルールはあるが、一つの文の中にすら両方の単語や文法を混在させ、その瞬間、瞬間でより楽で適当な言い回しを選んでいく。
米国人への私からのお別れの言葉は「せっかくフィリピンに住んでいるんだから、タグリッシュを覚えてください」。(吉枝道生)