2011年01月04日
北朝鮮による韓国・延坪島(ヨンピョンド)砲撃の2日後、運航を再開した仁川発の高速船の座席は島の住民と報道陣で埋まった。到着までの約2時間、記者が住民への取材合戦を繰り広げ、船内は熱気であふれた。
座ったまま周囲と話をしない若い男性4人組が目についた。浅黒い肌が外国人のような雰囲気だ。話し掛けると、やはりベトナム人だった。全員20代後半で、2年前から海運会社で作業員として働く。島で社長に会って今後のことを話し合うという。まだ韓国語が不自由なためか、砲撃当時の様子を聞いても答えはなかった。
経済発展の著しい韓国には、東南アジアからの花嫁や出稼ぎの外国人が少なくない。でも、登録住民約1700人の離島で出会うとは思いもしなかった。韓国政府などは避難住民に対する生活支援を早々に決めたが、彼ら外国人への対応はどうなったか。韓国は最近、外国人を積極的に受け入れているだけに心に引っ掛かっている。(築山英司)