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モスクワ 監視社会 まるで映画

2014年08月14日

 ロシアの治安機関は無人機による監視を行っている。プーチン大統領への抗議デモが行われている時、よく上空を飛んでいる。

 モスクワ中心部のマンションで5月下旬、ガス爆発事故が起きた。支局の窓から大通りを隔てた現場を眺めていると、一辺約1メートルの六角形の金属枠を2段に重ね、6つのプロペラを付けた飛行物体を見つけた。

 中心にカメラが付いていて、高度を変えながら滞空飛行。階下には背広姿の男が3人。1人はリモコンを操作し、他の2人はカメラからの映像モニターを見詰めていた。事故原因はガス漏れだったが、捜査員らしい男らは付近のマンションの一室一室を「のぞき見」し、爆破犯が潜んでいないか調べていたらしい。

 犯罪者が無人機を利用するケースも増えている。ロシア紙によれば、西部の飛び地カリーニングラードで5月、ロシアでは3割ぐらい安く買えるたばこ約50キロを、無人機で隣国のリトアニアに密輸出していた集団が摘発された。

 先日、模型店で、子供が治安機関のマーク入りヘリを「格好いい。買って」と親にねだっていた。うんざりして店を出た。(原誠司)