2016年02月24日
新年を迎える前に中国駐在の外国人記者はビザの更新が義務付けられている。この手続きが面倒だ。事前に外務省で更新した記者証を持って公安局に出向く。申請書提出の際、担当者から質問を受けることになる。
「昨日、どこで何をしていた?」。人権派弁護士が被告となったその日の裁判を取材したかどうかを探っているようだ。ほかにも「いつから記者をやっているのか」「日本で勤務していた場所はどこか」とビザ更新と何の関係があるのかと思う質問ばかり。態度も横柄だったが、これも相手の仕事だと言いきかせてやり過ごした。
2週間後、預けていたパスポートを取りに行くと費用として800元(約1万5000円)を請求された。確か前回は400元(約7500円)だったはず。一気に2倍とはどういうわけか。
ビザ更新を認められず、フランス誌の女性記者ウルスラ・ゴーティエさんは中国から国外退去処分となった。新疆ウイグル自治区への政策を批判的に書いたのが原因とみられている。新しいビザの期限は12月31日。これからの1年間で納得できない経験がまだまだ増えそうな気がする。 (秦淳哉)