2019年03月12日
台湾の街でここ数年、クレーンゲームの店が急速に増えている。おもちゃのクレーンで縫いぐるみなどの景品をつかみ上げて取るゲーム。台湾では「夾娃娃(きょうあいあい)機」と呼んでいる。人形をはさむ機械という意味だ。
住まいの近く、空き店舗だったところにゲーム店がオープン。店内を掃除していたおじさんに聞くと「空き家にして蚊を飼っているより、少しでも現金収入があるからいい」。
店は24時間営業で店員はゼロ。人件費ゼロだから、確かに空き家にしたままであるよりはいいが、大流行で中央銀行が困惑している。
客は10元(約37円)コインを入れてゲームを楽しむ。この10元硬貨が不足気味になっているのだ。急きょ、10億元分の10元硬貨の増産を決めたほど。
当局によると、ゲーム店は台湾全体で約3000店1万台。業界では「飽和状態」との声があがる。過当競争で問題も発生。縫いぐるみではもう客受けしないからか、景品にアダルトビデオのCDなども登場した。
行政も対応に追われる。台北市の隣の新北市は子どもらがゲームに溺れないように、学校周辺での開業禁止条例を成立させた。 (迫田勝敏)