2019年07月03日
移民流入への反発からか、英国の就労ビザを取るのは大変だ。記者職の私は比較的ハードルが低かったが、個人の預金額や月収はもちろん、勤務先の資産、経営状況に関する証明書類も提出した。一方、帯同する家族用のビザは書類も少なく楽だった。でも、落とし穴があった。
先日、遅れて来英した妻と子ども3人を空港で出迎えた。なかなか到着ゲートに現れず、理由を聞くと、通関職員が家族を巡って協議を始めたという。「彼女、働けるぞ」と、職員の笑い声も聞こえたとか。中学生の長女(13)に誤って就労ビザが発給されていたのだ。
職員の指示通りに滞在許可証の受取所へ相談に行くと、長女は許可証も就労用。窓口の女性も「この子、もう働けるわよ」と冗談を言い、政府の問い合わせ先を教えてくれた。
ビザと許可証の変更をメールで頼むと、数日後、帯同家族用の許可証が自宅に届き、誤った許可証の裁断を求められた。面倒な手続きがなかったことにホッとしたが、就労用のビザや許可証を簡単には手にできないご時世。はさみで切る時、少しもったいない気がした。 (藤沢有哉)