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香港 「危険」覚悟のハンスト

2019年09月13日

 香港の政府庁舎前で、逃亡犯条例の撤回を求めてハンストをする10人ほどのグループに、北京語を話す30代の女性がいた。聞けば、大陸生まれで大陸の大学を卒業し、香港の大学で教壇に立っているという。

 「なぜ中国人のあなたがハンストを?」と尋ねると、「デモ隊に催涙弾を撃ち込むやり方があまりにも横暴だ。ここで立ち上がらなければ、香港に自由がなくなってしまう」と話した。

 中国人が香港でこうした政治活動に参加することは非常に危険だ。中国当局に知られた場合、後で不利益をこうむるのは目に見えている。

 別れ際、「くれぐれも気をつけてください」と声をかけた私に、「分かっていますよ」と笑みを返してくれた。

 数日後、ストレッチャーに乗った彼女の写真が、香港紙に掲載された。ハンストが80時間を超え、衰弱がひどくなったため病院に搬送されたという。

 私は彼女のコメントも名前も年齢も記事にはしなかったが、外国メディアの取材に積極的に応じる様子は、覚悟を決めているように映った。彼女に平穏な生活が戻ってくるよう心から願っている。 (浅井正智)

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