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ベルリン 「バリエテー」の意味は

2020年05月30日

 アパートの大家さんがマジックショーに誘ってくれた。大家さんはベルリン郊外にある森の管理人。時々、声をかけてくれて食事などに行っている。

 出掛けたのはベルリン中心部の劇場。「脱出王」の異名を取った奇術師フーディーニも舞台に立ったという老舗だった。昔の劇場は第二次大戦中に破壊されてしまい、1992年に現在の場所に復活した。

 内装は20~30年代を意識した雰囲気。500ほどの座席にはテーブルがあり、ビールや料理も楽しめる。開演前、手品師がやってきてカードマジックで盛り上げてくれた。

 演目は、何もないところに大型バイクに乗った男性が現れる大掛かりなものから、人体切断やジャグリングなど古典的なものまで。あおむけで足を使って大きな机を回した女性は初舞台が60年と紹介され驚いた。

 「こうした劇場は『バリエテー』と言って、ベルリンにいくつかあるよ」と大家さん。マジックでなく、レビューや歌が披露される時もあるという。辞書を引いたら「寄席演芸場」とあった。さまざまな芸を楽しめるのは同じだが、ちょっと誤解されそうだ。 (近藤晶)