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台北 明るさ感じる追悼会

2020年10月18日

 「ありがとう。台湾の民主を守ってくれて」-。李登輝(りとうき)元総統の死去で台湾の蔡英文(さいえいぶん)政権は、迎賓館でもある台北市の台北賓館を8月1日から16日まで追悼会場とし、市民の献花、弔問を受け付けている。李氏の大きな写真を飾った献花台で冥福を祈り、外に出ると、弔問者が冒頭のようなメッセージを書いて壁に貼り付けている。

 初日はそれほどの人出ではなかったが、2日目には長い行列。会場の壁は、メッセージでほとんど埋め尽くされた。行列の前にいた中年男性は「彼がいなければ今の民主化された台湾はなかった。ひと言書かなくては」と言い、「民主の父、台湾の父ありがとう」と書いて、隙間をみつけて貼り付けていた。

 32年前の一月、病死した当時の蔣経国(しょうけいこく)総統の葬儀を取材したことがある。蔣氏の葬儀には、荘厳で暗い印象を受けた。それに比べて、冬と夏、現職と元職などの違いこそあるものの、李氏の追悼会は、誤解を恐れずに言えば、明るささえも感じられる。

 おそらく、この明るさも、李氏が切り開いたと市民が評価する民主化の1つなのだろう。 (迫田勝敏)

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