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ロンドン 男女平等ランク苦戦

2015年03月03日

 英国国教会で、トップの大主教に次ぐ地位の主教に女性が初めて就いた。カトリックから分離、誕生して500年。司祭への女性任用から20年。女性主教の可否が問われた最初の投票では反対が上回り、再び投票に持ち込むまで、さらに2年。歴史的な転換には、長い時間と議論が必要だった。

 今でも「階級」が会話に出る英国。女性の社会進出の点でも、抱いていたイメージより保守的だ。男女の賃金格差や女性議員の少なさが足を引っ張り、世界経済フォーラムの男女平等度指数は昨年、上位20カ国から初めて外れて26位になった。「(上位の)フィリピンやルワンダより女性が生きづらい地」と地元紙は嘆いた。

 女性主教の就任式がテレビで大々的に生中継された翌日、安倍政権が掲げる女性政策がテーマの講演会をのぞいた。「保守的で右派の自民党政権で、本当に女性を活用できるのか」。参加した英国人からは懐疑的な意見が相次いで上がった。

 先の指数で日本は142カ国中104位。上を見ると気が遠くなりそうだが、いつか英国人の鼻を明かせたらと願っている。 (小嶋麻友美)