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ベルリン 学びの場移転の行方

2021年04月07日

 ベルリンに赴任して以来、日本人学校の理事を務めてきた。子どもがおらず、単身赴任の自分がお役に立てるのかと最初は迷ったが、前任者から引き継ぐ形で引き受けた。

 ベルリンの在留邦人は少なく、現在の児童・生徒数は30人に満たない。ベルリン・フィルを聴きに行ったり、オペラのワークショップをやったり、行事のほとんどが全員参加。小規模校ならではの長所がある。

 理事会は、教職員やベルリン在住の日本人、駐在員、保護者などで構成し、学校運営に関わる。さまざまな方々と知り合うことができ、自分自身も学ぶことが多かった。

 3月いっぱいで支局が閉鎖になるため、年末に理事を退いたのだが、気がかりなのが学校の移転問題。今は現地校に間借りしていて、ベルリンの人口が増えたため、退去しなければならなくなった。

 理事会で移転先を探してきたものの、まだ決まっていない。再来年には開校30周年を迎えるベルリン日本人学校。子どもたちにとって外国での経験は将来必ず生かされると思う。新たな学びやが早く見つかることを願っている。 (近藤晶)