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ワシントン 本物のスパイは誰だ

2021年10月25日

 ワシントンにはスミソニアン協会系をはじめ数多くの博物館や美術館があり、ティラノサウルスの化石からスペースシャトル、巨匠ダビンチの絵まで多種多様な展示を楽しめる。中でも米首都ならでは、と言えるのが「国際スパイ博物館」だ。

 1人ずつカードが渡され、中央情報局(CIA)のエージェント(スパイ)になったようにコードネームや出身地、潜入先を決定。さまざまなミッションに挑戦しながら、米ソ冷戦期などのスパイの歴史、隠しカメラや変装など実際に使われた装備などを見て回ることができる。

 秘密のベールに覆われている「スパイ」だが、米国では選択できる1つの職業らしい。米大学に留学経験のある日本人女性によると、学生時代にCIAが説明会を開催し「スパイに向いているのは、特別な美人より周囲に溶け込みやすい普通な人。だからあきらめず積極的に応募して」と呼び掛けていたという。

 別の米国人男性に「スパイになりたいと思ったことは」と尋ねた。彼は答えた。「考えたことはないけど…。本物なら身分を明かさない。だから、もしかしたら私はスパイかもしれませんよ」 (金杉貴雄)