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ロンドン 通りの安全 取り戻せ

2021年11月30日

 「サラ、あなたはただ歩いていただけなのに」。花束には、女性たちの怒りのメッセージが添えられていた。

 ロンドン南部の住宅街で3月、友人宅から歩いて帰宅途中のサラ・エバラードさん=当時(33)=が現職警官だった男に止められ、新型コロナウイルスの規制違反といううその容疑で手錠をかけられて拉致され、性的暴行を受けた末に殺害された。男には9月、終身刑が下った。

 事件後、ある警察署長は「彼女は抵抗すべきだった。もっと抜け目なくならないと」と発言した。ロンドン警視庁は「危険を感じたら逃げて通報して」と言った。しかし、本物の警察の身分証を見せられて職務質問された時、とっさに走って逃げられる女性が何人いるだろうか。

 彼女が歩いた道をたどった。車が行き交う大きな道路で、街灯もあり、両側にはアパートが立ち並んでいた。夜でも不用心なルートとは思えなかった。

 「こういう事件が起きると、夜は1人で歩くなとか、女性の側が注意して行動するように言われる。でも、なぜ女性ばかりが責任を負わなければならないのか」。取材で聞いた若い女性の声が残っている。 (加藤美喜)

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