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北京 「豆柴カフェ」 最盛期?

2022年03月14日

 中国では今、柴犬が人気のようだ。とりわけより小型の豆柴は中国語でもそのまま「豆柴」と表記され、人気を集める。北京の繁華街に「豆柴カフェ」が開店したと聞き、休みに子どもと行ってみた。

 小袋に入った餌を渡されて満席の店内に入ると、8匹の柴犬が歩き回っている。人に慣れた様子でほえることもない。あちこちで餌をもらったり、愛嬌(あいきょう)を振りまいたりして、忙しそうだ。「お手」や「伏せ」もやってくれる。1時間の時間制限があっという間に過ぎた。店員に春節(旧正月)は休むのかと尋ねると、「人気があるから営業しているかも」と話す。たしかにネット上での予約が取りにくいほどだった。

 一方、近くにはウサギやアヒル、猫などが店内にいるカフェもあるが、客は1人もいなかった。ウサギや猫は目を閉じてのんびり。半年ほど前に通り掛かったときはそれなりに客が入っていたと記憶しているが、流行の波がすでに去ったらしい。

 あの豆柴たちも半年後は静かな店内でのんびりしているのかも、と考えた。だがもし店が閉じたら、動物たちはどこに行くのだろうか。 (中沢穣)